東京都港区南青山にできた地上13階建てのオフィスビル「3rd MINAMI AOYAMA（サード ミナミアオヤマ）」。

グローバルな感性が街全体に溶け込んで、常に新しい文化が生まれ続けてきた青山エリアに誕生した当ビルは、「南青山New Junction」をテーマに、さまざまな個性を持つ人・街・文化が混ざり合う青山の新たな交差点になることを目指して生まれ変わりました。

parkERsは一階部分の、青山通りと外苑西通りの双方からアプローチできるポケットパークを担当。ビルの奥へ進むと見えてくるのは、一見、自然豊かな風景のみに見えますが、角度を変えると、人が立ち止まりたくなる空間が隠れています。

喧騒から距離を置きながらも、穏やかに人が往来する青山らしい空間に。

仕事の合間にここへ来て、ふっと気持ちを軽やかに、心を調律する時間。自分の中のONとOFFをデザインする場として気持ちを調（ととの）えられるよう、「Tune(d) in」をコンセプトに、ポケットパークに佇む中央の象徴的なランドスケープを手掛けさせていただきました。

外苑西通り側から入ると見えてくる姿。「風」を可視化するために、風の流れに合わせて動きが出るよう、地面から上方へと柔らかな線形の葉の流れがゆるやかにつながるコーディネートに。山なりになって、風が吹くとサーッと草木がそよぎ動きが見えることで、通り過ぎるほんの少しの時間に安らぎを与えてくれます。

青山通り側から入ると、まるで丘のような“緑のかたまり”が迎えます。

座っている人と、周辺を往来する人の目線を遮るグリーンのボリューム感。こちら側には常緑の植物を用いて、丘のような立体感を演出。ポイントで落葉樹が植えられ、秋には美しい紅葉で和の趣も演出します。座るたびに移り変わる季節の花々に出会えます。

植栽計画のスケッチ

青山の周辺環境とつながる在来種も多く取り入れつつ、四季折々の変化がある植物で構成。香りのよいものや、動きや表情、色の濃淡などの特徴をふまえて、20種類以上の樹種を用いています。ぐるっと周回する中で異なる風景の印象と、草木のグラデーションが生まれるよう、プランツコーディネーターの感性でコーディネートしています。

コーヒー片手にぼーっと佇む出勤前、賑やかなランチタイム、ミーティングの合間にちょっと一息入れたい時。用途にとらわれない、幅広い使い方で自由に過ごせる憩いの場。

実際に利用した方からは、「会社の休憩室が狭く、どこかランチにいいところはないかと探していたところ偶然辿り着いたのがこちらでした。自然を感じながら仕事を忘れ、優雅にリラックスして過ごせる空間はとても癒される大切な場所です。開放的なのでリフレッシュして午後の勤務も頑張ろうと思えます。」といったご感想も。

行動に応じて座る場所が変わり、見える風景が変わる。四季が移り変われば、また景色が変わっていく。豊かな自然に距離が近く、一年を通して変化が楽しいポケットパークで、ぜひ豊かなひとときをお過ごしください。