WORKS事例紹介
9つの森と繋がる、 都市のオープンスペース
JT本社ワークプレイス「ときの森」
JAPAN TOBACCO INC. Head Office
森林保全活動を進める企業の想いを
植栽コーディネートで表現
虎ノ門エリアの高層タワー30階に竣工したJT(日本たばこ産業株式会社)のオフィス。社員のみなさまをはじめ、来訪者も使えるオープンスペースの植栽コーディネートと、IoTを取り入れた植栽のオートメーション管理システムを導入いたしました。
「事業を支える自然由来の原材料に感謝し、環境を大切にしていきたい」と、森林保全活動を進めている施主さまの想いを受け、全国9ヶ所にある「JTの森」(※2022年9月時点)に自生する樹木の苗木を用いた空間づくりをご提案させていただきました。都会にいながらも自然と繋がり、恵みに感謝して働くことができるようなオフィス空間となりました。
- DATA
- 弊社の業務内容:コンセプトメイキング、植栽デザイン・施工、灌水計画・施工、植栽メンテナンス、ソフトサービスの企画・運営
自然光がたっぷりと差し込む高層タワー30階にある、社員のみなさまをはじめ、来訪者も使えるオープンスペース「ときの森」。施主さまから窓一面に植物が並ぶ風景をつくりたいというご要望を受け、全長約25メートルの窓辺のベンチに、植栽コーディネートと施工を手がけました。
森林保全活動の一環として、全国9ヶ所で保有している「JTの森」(※2022年9月時点)とオフィスがつながるようなプランをご提案。9カ所の森それぞれに自生する樹木の苗木や下草を調査して選び、9つのエリアごとに植えて構成しました。一つひとつ、異なる樹形や葉の形、さまざまな種類を混植し、窓一面に温もりを感じる自然な風景を生み出します。
使用した植物は、全40種類。自生している地域ごとに、最適な環境や生育特性が異なるため、9エリアそれぞれに合わせたメンテナンス方法を用いて、2週に1度グリーンライフチームのスタッフが現地を訪れ、生育状況をチェックしながら育てています。
この複雑な管理を可能にするため、弊社が独自開発した「Indoor Park モニタリングシステム」を導入。土内の水分量を測定し、植物に適した量の水やりを自動で行なうシステムです。植物をより身近に感じ、親しみを持っていただきたいという想いを込め、リアルタイムで土内の水分量の変化や気温と湿度などの環境情報がグラフで見えるモニターを設置しました。単なるインテリアとしてだけでなく、生長している存在として感じられることで、人と植物の距離を縮めます。
植物を植えた土の表面を覆うマルチング材には、竹炭を使用。人が放置したことによって発生した竹林の生態系侵食の被害が深刻な問題となっている現状を受け、竹を有効活用することで、デザイン性を高めながら日本の森を守るアクションにつなげています。
ベンチに腰かけると自然の生命力を受けて、仕事のインスピレーションも湧いてきそう。ちょっとしたインフォーマルコミュニケーションや、オンライン会議、昼食をとる場として、さまざまなシーンで活用されています。
こちらには季節を体感いただけるソフトサービスも提供。メンテナンスだけではない、花や緑に関わるさまざまな企画を年間を通して行なっています。その一つが「ときの森」を利用する社員の方に、季節の花をプレゼントするサービス。ご自身のデスクやご自宅に持ち帰りいただき、花のある時間をお楽しみいただいています。
また季節に合わせたイベントもご提案させていただいています。こちらは9月10日(土)のお月見にちなんで企画した観葉植物の販売会の様子です。JTの人事部のみなさまと意見を出し合いながら、働く社員のみなさまにとって何が必要かを一緒に考え、イベントスペースの装飾から販売内容の企画・運営までトータルで手掛けさせていただきました。季節感を感じる催し物は社員のみなさまにもご好評で、特に男性の社員のみなさまがご自宅用に購入される様子が多く伺えました。
お月見を連想させる「千日紅(センニチコウ)」や、うさぎのような形をしたサボテン「バニーカクタス」、ふわふわとした白っぽい毛に覆われたウサギの耳の形によく似た「月兎耳」など、テーマに合わせた商品を取り揃えました。そのほか、アンティークカラーがめずらしく、秋らしさ満点の「秋色アジサイ」も。